社会人になると毎日のようにスーツを着て、会社へ向かうと思います。
普段からスーツのお手入れで、気を使っていることはありますか?
仕事から帰ってきて、着替える時にスーツはそのままハンガーにかけて「はい、おしまい」ではないでしょうか。
日頃からお手入れなんて、面倒だなんて言わないでください。
毎日のひと手間で、スーツの綺麗な状態も保てて、破れ等の予防もできることがあります!
あなたも今日からひと手間かけてみませんか?
スーツにお手入れが必要な理由
スーツは毎日着るものですが、学生服と違ってデリケートなものになります。
学生服は一般的にシワや型崩れのし辛い素材を使用しているので、毎日の着用や毎週の洗濯にもある程度、対応することが可能です。
スーツの場合は、もちろん素材にもよりますが、基本的に良い生地は天然素材(ウール100%)の生地を使用しています。
ウール素材の場合は、生地が持っている脂分がスーツのあの光沢感を引き出しています。
そんな毎日着るスーツも気がついたら、買った時の光沢感が無くなっていたり、ヨレていたりしていませんか。
このような症状には理由があって、スーツは1日きているだけでダメージを受けてしまいます。
あなたが一日頑張った分の汗を吸収していますし、ホコリやフケ等の付着から、生地を傷めてしまう原因にもなります。ですから、同じスーツを連日使用するのは良くありません。
スーツは1着だけでなく、2〜3着は持っておいて、1日着たら次の日はそのスーツは休ませてあげましょう。理想は1日着用して2日休めるのが一番スーツにやさしいローテーションになります。
簡単にできるスーツのお手入れ
それでは、デリケートなスーツのお手入れとはどのようにしたら良いのかを説明していきます。
まずはじめに、スーツを保管する際に使用するハンガーはどのようなものを使用していますか?細いワイヤータイプのものやプラスチック製の細いハンガーを使っていませんか?
スーツの形を保つためには、太めのハンガーを使うのが良いです。3cm〜5cm程度のもので、前方に少し湾曲しているものが、型崩れを防止してくれます。
また、ハンガーにかける前のひと手間として、ポケットの中のものは全て取り出しましょう。ポケットにものが入っていると型崩れの要因となります。
次に、日々の汚れを落としましょう。
冒頭でも説明した通り、スーツはホコリやフケ等の汚れに弱く、繊維内に汚れが溜まると虫食いの要因にもなりますので、しっかりと落としてあげなければいけません。
洋服用のブラシでブラッシングしてあげましょう。豚毛のものでも問題はありませんが、硬すぎない白豚毛を選びましょう。
馬毛であればカシミヤにも対応でき、細かい縫い目の高級生地にも使用できるのでオススメです。少し高価にはなりますが、実際に私もグランドイケモトの洋服ブラシ(馬毛)を使用しています。
ガムテープやコロコロで汚れを取らないようにして下さい。生地を傷める要因にもなる為、お手入れとは言えませんので、必ず洋服用のブラシを使用しましょう。
ブラッシングの際のポイントとしては、ブラシは水平(横向き)に持って、力を入れすぎず、上から下に向けてかけてあげてください。
襟元、ポケット部分、ボタン周りは特に汚れの溜まりやすい場所になっています。
また、パンツの裾をダブル(折り返し)にしている場合は、最も汚れの溜まる部分となります。
余談ですが、私はデニムパンツをロールアップして使用していましたが、折り返し部分の汚れを取ることをサボっていると、汚れの溜まったところから破れが発生してしまいました。
デニム生地の方が厚手になっていますので、スーツで汚れを放置するとすぐに破れ等が発生することが考えられますので、日頃のお手入れは欠かさず行うようにしましょう。
忙しい時期で、なかなか手が回らない方でも、3日に1回はブラッシングしてあげることが大切です。
シミが付いた場合のお手入れ方法
シミがついたときには、シミに合わせた方法でお手入れをしましょう。
ジュースやコーヒーなど水溶性のシミには、シミの下に汚れても構わないハンカチを敷き、固く水を絞ったものタオルや布で上からたたいてシミを移すします。
マヨネーズや口紅など、油溶性(脂溶性)のシミ汚れの場合は、乾いて固まっているものに関してはつまみ取ります。
付いてすぐの汚れは広げずないようにして、アルコールが含まれている掃除用具や歯ブラシなどを使って落とすようにしましょう。
汗などのシミ汚れには、水を使用したお手入れが効果的です。
基本的には水溶性のシミを取るときと同じです。
水に濡らして固く絞ったタオルで汗をかいた部分をたたくようにしてお手入れしましょう。
クローゼットなどにしまうときには?
湿気がこもるとスーツ生地の痛みの原因になってしまいます。
スーツをクローゼットなどに保管する際には、適度に隙間をあけてあげるなど、通気性をよくしておきましょう。
また、既にご紹介していますが、同じスーツを毎日着ることは避けましょう。
1日着たらお手入れをして2~3日は休めることを心がけるように、スーツは2、3着持っておき、ローテーションさせることをおすすめします。
最低限の革靴のお手入れ
革靴の日頃のお手入れもスーツと同様、ブラッシングになります。汚れの溜まりやすい縫い目や革の重なっている隙間、紐の部分にかけてあげましょう。
また、1ヶ月に1回程度のオイルを使ったケアや乳化性クリームや防水スプレーを使ったケアも大事ですが、長くなってしまいますので、別の記事で説明させていただきます。
靴にまで手は回らないという方には、日頃から以下の点に気をつけてあげるだけでも革靴を長く愛用できます。
・靴を履く際には、シューホーン(靴べら)を使用する。
・靴を脱ぐ際には、かかとを持って脱ぐ。
これらを意識するだけで、革靴の型崩れを防止できますので、是非是非、気をつけて見てください。
まとめ
以上のように、日頃からのちょっとしたひと手間をかけて、お手入れしてあげるだけで、購入時の綺麗な形、光沢感を保てる上に、長く使用することができます。
大事なところだけおさらいします。以下のポイントを抑えましょう。
スーツの日頃のお手入れ
・ハンガーは細いものではなく、3〜5cmの太さのものを使用する。
・ポケットのものを全て出す。
・ブラッシングは上から下にかける。
革靴の日頃のお手入れ
・縫い目や革の重なっている隙間をブラッシング。
・履くときはシューホーン(靴べら)を使用する。
・脱ぐときはかかとを持って脱ぐ。
以上、素敵なものを長く愛用できるように、愛情を込めてお手入れを続けましょう。